- 「根拠が弱い」と言われたとき、決裁者が見ていないもの
- 決裁者が判断できる状態とは何か 稟議書に載せる5つの数字
- その数字をどう作るか 4つの選択肢を同じ軸で比較する
- 実例:約10万円の需要検証で何が出たか
- 最も稟議で効いたのは「需要がなかった」という確定
新規事業の稟議が通らないとき、足りていないのは資料の完成度ではありません。決裁者が判断を下せるだけの数字が、まだ存在していないという状態です。
本記事では、実際に約10万円の広告費で需要検証を行った案件の数字を使います。決裁者が判断できる状態とは何か、その材料をどの手段で作るのかを整理していきます。あなたがそのまま稟議書に貼れる判定表とチェックリストも掲載しています。
「根拠が弱い」と言われたとき、決裁者が見ていないもの
差し戻しの理由を分類しても、次の一手は決まらない
新規事業の上申が差し戻されるとき、返ってくる言葉はある程度決まっています。「市場の裏づけが弱い」「本当にニーズがあるのか」「方向性は分かるが判断材料が足りない」といったものです。こうした指摘を、論点の抜け、数字の裏づけ、リスクの見立て、実行体制のどこに問題があるのかという形で仕分ける整理は、既に広く紹介されています。
仕分けそのものは、自分がどこで止まっているのかを把握するのに役立ちます。ただし仕分けが終わった時点で分かるのは、指摘の性質までです。次に何をどこまで用意すれば承認されるのかという水準は、分類からは出てきません。 実際、同じ「数字の根拠が弱い」という一言でも、求められている材料は場面によって変わってきます。
指摘を「まだ検証していない前提」に読み替える
「数字の根拠が弱い」を市場規模の話だと受け取ると、調査レポートを追加して推計の精度を上げる方向に動くことになります。この対応が的を射ている場合もあります。ただし、TAMとSAMを積み増しても決裁者の反応が変わらなかったという経験は、多くの方がお持ちではないでしょうか。
そういうとき、決裁者が引っかかっているのは市場の大きさではありません。その市場の中に自社の提案を置いたときに、実際に反応する相手が存在するのかという点です。 前者は机の上で精度を上げていくことができますが、後者は市場に何かを出してみない限り分かりません。
そこで、受けた指摘を「事業の前提のうち、どれがまだ検証されていないのか」という形に読み替えます。市場の大きさの話なのか、需要が実在するかどうかの話なのか、それとも実行できるかどうかの話なのか。この3つを分けるだけでも、次に追加すべき材料は変わってきます。
稟議の定石を実行しても、空白が残る
稟議書を簡潔にまとめる、決裁者に事前に相談しておく、段階的な投資として設計する、撤退基準を先に決めておく。これらはいずれも有効な打ち手で、実行すれば通過率は上がると考えています。
ただし、どの打ち手も追加検証の水準そのものには触れていません。 顧客の一次情報を集めるとして何件聞けば足りるのか、撤退基準を決めるとしていくらに設定すればいいのか。ここが決まらないまま検証に着手すると、結果が出たあとで「この数字で判断できるのか」という議論が再び始まります。次の章では、その水準から扱っていきます。
決裁者が判断できる状態とは何か 稟議書に載せる5つの数字

市場の大きさではなく、需要の実在を示す数字を置く
前章で触れたとおり、決裁者が確かめたいのは市場の中に反応する相手が実在するかどうかです。これを示すには、推計ではなく観測された数字が必要になります。具体的には、次の5つが揃うと判断できる状態に近づきます。
| 指標 | 何が分かるか | 答えている決裁者の問い |
|---|---|---|
| 表示回数 | その言葉で探している人が実在するか | 市場はあるのか |
| クリック率 | 提示した内容が選ばれるか | 自社の打ち出しは通用するのか |
| 問い合わせ件数・率 | 関心が行動に変わるか | 見込み客は動くのか |
| 獲得単価 | 接点1件あたりの費用 | 採算に乗る見込みはあるのか |
| 商談・成約の有無 | 買う相手だったのか | 本当に売れるのか |
この5つは上から順に、分母が大きく結果が早く出るものから並んでいます。上にある指標ほど少ない予算で確定し、下にある指標ほど時間と件数を必要とします。 そのため、予算と期間の制約がある場合、どこまで下りられるかを先に決めておく必要があります。
基準値は、結果を見る前に決めておく
5つの数字を集めても、それだけでは判断になりません。いくつなら進み、いくつなら止めるのかという基準が先にないと、出た数字の解釈が人によって分かれるからです。
そこで、次の形式の表を検証開始前に作り、決裁者と合意しておくことをおすすめします。実績列は、後述する実例(法人向けレンタル・サプライ業の需要検証)の数字を参考として入れています。
| 判定項目 | 事前に合意する基準 | 参考:実例の実績 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 検索需要が存在するか | 表示回数◯回以上 | 1,850回 | 達成 |
| 反応率が基準を満たすか | 問い合わせ率◯%以上 | 11.63% | 達成 |
| 獲得単価が許容内か | ◯円以下 | 約6,500円 | 達成 |
| 想定した顧客層に反応があったか | 想定した層すべて | 一部の層のみ達成 | 部分達成 |
| 商談・成約に到達したか | 商談◯件以上 | 商談5件・成約2件 | 達成 |
基準値の欄を空けているのは、業種と単価によって水準が変わるためです。ここに自社の数字を入れて使ってください。ひとつだけ守るべき運用があります。基準は結果を見る前に置き、後から動かさないことです。 数字が出てから基準を作ると、その基準は判定ではなく事後の説明になり、決裁者から見た信頼性が失われます。
許容獲得単価をどう逆算するか
5項目のうち、社内で最も揉めるのが獲得単価の許容上限です。ここは一般論として、次の考え方を紹介します。この記事の実例では受注額を追跡していないため、逆算の妥当性を数値で検証したものではありません。
置き方としては、想定受注単価に粗利率を掛け、そこに想定成約率を掛けて、1件の問い合わせが生む粗利を出します。その一定割合を獲得単価の上限に充てる、という順序になります。既存事業であれば実績から埋められますが、新規事業では想定成約率が仮置きになります。
そのため、上限を1本の数字で決めずに、強気と弱気の2本を置いて幅で管理する方法をおすすめします。 弱気の想定でも成立するなら迷わず進められますし、強気の想定でなければ成立しないなら、その前提自体が次の検証対象になります。幅で持っておくと、検証結果が中間に落ちたときも「想定成約率がここを超えれば成立する」という形で議論を具体化できます。
なお、この上限は検証の合否を決めるためのものであって、本格展開時の目標値とは別に扱ってください。検証段階の獲得単価は、運用の最適化を経ていない状態の数字だからです。
その数字をどう作るか 4つの選択肢を同じ軸で比較する

内製・調査会社・検証代行・何もしないを並べる
需要の実在を示す数字を作る方法は、大きく4つあります。どれが優れているかではなく、決裁者が求めている材料と、自社の予算・期間に合うものを選ぶという判断になります。
| 選択肢 | 費用の目安 | 出てくる数字の性質 | 稟議での使われ方 |
|---|---|---|---|
| 内製でヒアリング | 直接費はほぼ発生せず、担当者の稼働が主なコスト | 定性。発言と文脈 | 課題の実在を語る根拠 |
| 調査会社に依頼 | デスクリサーチ中心の小規模で10〜50万円、ネット定量調査で10〜150万円程度 | 定量。母集団の傾向 | 市場規模と属性の裏づけ |
| 検証代行に依頼 | 公開された相場データが乏しい領域。本記事の実例では広告費が約10万円(委託費は別途) | 定量。実際の行動 | 需要の実在と訴求の反応 |
| 何もしない | ゼロ | なし | 既存データで代替 |
調査会社の費用については、複数の事業者が相場を公開しています。デスクリサーチ中心の小規模調査で10〜50万円、ネットアンケートを含む標準的な調査で50〜300万円という水準です。1対1のデプスインタビューは1名あたり5〜10万円が目安とされ、10名実施すれば50〜100万円という水準になります。別の調査会社の整理では、WEB調査で50〜150万円という幅が示されています。いずれも設問数とサンプル数で大きく動くため、見積りは内訳で比較してください。
選択肢ごとに、出てくる数字の粒度が違う
内製のヒアリングは、相手の言葉と背景を深く取れます。一方で、聞いた相手が買う相手かどうかまでは分かりません。調査会社の定量調査は母集団の傾向を広く押さえられますが、回答は購入の意思表示ではなく設問への回答です。
広告を使った検証は、検索した、クリックした、問い合わせたという行動そのものを数えます。 深さでは内製に、広さでは調査会社に及びません。代わりに、意思表示ではなく実際の行動が残ります。
したがって選び方は、決裁者の問いがどれに当たるかで分かれます。「課題は本当にあるのか」なのか、「市場は十分に大きいのか」なのか、「本当に反応する相手がいるのか」なのかという区別です。前章で読み替えた指摘の種類が、そのままこの3択に対応します。
何もしないという判断が正解になる条件
追加検証をしないほうが速い場合もあります。社内に類似事業の実績データが既にあり、そこから引ける場合がひとつです。承認者が実質1人で、その人が求める材料が既にはっきりしている場合も、検証より対話のほうが確実に進みます。
判断の分かれ目は、指摘が「材料が足りない」なのか「前提が信じられない」なのかという点です。後者であれば、材料を足しても結論は変わりません。この場合は検証ではなく、前提そのものを議論する場を作ってください。
実例:約10万円の需要検証で何が出たか

検証の設計と、測る前に決めたこと
ここからは実際に実施した案件の数字を出していきます。法人向けレンタル・サプライ業の企業が、これまで取引のなかった顧客セグメントに需要があるかどうかを確かめた検証です。社名と商材が特定される情報は伏せ、金額は概数に丸めています。
手法は、検証用のLPを1枚だけ作り、そこに検索広告から人を集めて反応を測るというものです。既存のコーポレートサイトを使わずLPを新しく作ったのは、訴求とターゲットを検証用に絞り込む必要があったためです。検索した人がLPを見て、フォームから問い合わせるところまでを1つの流れとして数えます。検証したキーワードは30語で、完全一致15語とフレーズ一致15語に分けました。
開始前に、この検証で分かることと分からないことを決めています。分かるのは需要の有無と、打ち出した訴求ごとの反応です。分からないのは受注率と顧客生涯価値で、これは検証の範囲外だと先に合意しました。 何が分からないかを先に確定させておくと、結果が出たあとで議論が発散しにくくなります。
出た数字
投じた広告費は約10万円で、ここから最終的に成約2件までつながりました。各段階の数字は次のとおりです。
| 段階 | 件数 | 前段階からの率 | 1件あたりの費用 |
|---|---|---|---|
| 表示 | 1,850 | — | — |
| クリック | 129 | 6.97% | 約760円 |
| 問い合わせ | 15 | 11.63% | 約6,500円 |
| 商談 | 5 | 33.3% | 約2万円 |
| 成約 | 2 | 40.0% | 約5万円 |
BtoBの評価は成約から見るのが原則ですので、まず成約が2件出たという事実を置きます。約10万円の広告費で、需要があるかどうかの判断だけでなく、実際に買う相手がいるところまで確認できました。
一方で、想定していた顧客層のすべてに反応が出たわけではありません。反応が集中した層と、まったく出なかった層に分かれています。この検証で最も稟議に効いたのは、反応が出た層ではなく、出なかった層のほうでした。 なぜ反応が出なかった層のほうが効いたのかは、次の章で詳しく扱います。
この検証で分からなかったこと
数字が出たあと、社内で確認しておくべき制約が3つあります。
1つ目は、成約単価の約5万円を採算の基準として使えないことです。受注額と契約期間を追跡していないため、この単価が高いのか安いのかを判定する材料がありません。この数字は「成約まで到達した」という事実を示すものであって、獲得単価の妥当性を示すものではありません。
2つ目は、商談化率33.3%と成約率40.0%を目安として扱えないことです。分母がそれぞれ15件と5件しかないため、同じ条件でもう一度実施すれば大きく振れます。実測値としては正しい数字ですが、他社が自社の予測に使える水準ではありません。
3つ目は、反応した層としなかった層の差を、問い合わせ率の側から断定できないことです。層ごとの問い合わせ件数が一桁のため、差があるように見えても統計的に区別できません。この扱いについては、後の章で判定方法とあわせて整理します。
制約を先に書いたのは、稟議資料としての信頼性がここで決まるためです。分からないことを書いていない資料は、決裁者から質問された時点で崩れます。先に書いてある資料は、その質問自体が起きません。
最も稟議で効いたのは「需要がなかった」という確定
表示回数がゼロだったのは、標本が足りなかったからではない
反応が出なかったのは特定の顧客層であると同時に、特定の訴求でもありました。この企業が自社の強みとして掲げていた3つの打ち出しについて、検索広告での結果は次のとおりです。
品質面の困りごとに呼びかける語と、小口から対応できることを示す語は、どちらも表示回数がゼロでした。 業務の管理や効率化を示す語は11回表示されましたが、クリックは1件もありませんでした。
ここで押さえておきたいのは、表示回数ゼロが標本不足とは別の種類の結果だという点です。件数が少なくて判断できないのではなく、その言葉で検索している人が期間中に存在しなかったという事実が確定しています。予算を増やしても、期間を延ばしても、この結果は変わりません。検索されていない言葉は、いくら露出を買っても表示されないためです。
そして稟議の場では、この確定した否定のほうが使いやすくなります。「この方向は違うと分かったので、こちらに絞ります」という説明は、判断が進んだことを示すからです。
自社が考える強みと、市場が検索する言葉はずれる
反応が出たのは、業者を今すぐ探している状態の検索でした。サービスの名称と、探している対象を組み合わせた語です。反対に反応が出なかったのは、自社の技術や品質を説明する言葉でした。
3つの打ち出しは、いずれも社内では強みとして共有されていたものです。独自の検査体制があること、工程を記録して追跡できること、小口から対応できることの3点です。社内で価値があると認識されていることと、市場がその言葉で探していることは別だという結果になりました。
ここから出た結論は、強みを捨てるということではありません。置き場所を変えるということです。これらは検索で出会うための言葉ではなく、出会ったあとに他社と比較されるときに効く言葉です。したがって、広告の見出しではなくLPの本文で使うのが適切だという整理になりました。
稟議書に置き換えると、提供価値の欄に書いていた内容が、集客の前提としては成立しないと分かったことになります。事業そのものを否定する結果ではありませんが、計画の一部を書き換える必要が出てきます。
顧客に聞く方法では、ゼロという結果が出せない
同じことを顧客インタビューで確かめようとすると、別の結果になります。人に「この品質管理に価値を感じますか」と尋ねれば、何らかの答えが必ず返ってくるためです。関心が低い場合でも、返ってくるのは「あまり気にしていない」という程度の反応になります。
インタビューは、相手の言葉と背景を深く取ることに向いています。一方で、探していないという状態そのものを観測する設計にはなっていません。 尋ねた時点で、相手はその話題について考え始めるからです。
行動を数える検証では、この差が出ます。検索されなかった、クリックされなかったという記録は、相手が何も反応しなかったことの証拠として残ります。前章で挙げた4つの選択肢のうち、確定した否定が得られるのはこの方法に限られます。
どちらが優れているという話ではありません。決裁者が「その前提はもう検証済みなのか」と問うている場面では、確定した否定を出せる設計が必要になるということです。
検証結果をどこまで断定してよいか
同じ検証でも、指標によって断定できる精度が違う
前章で、層ごとの問い合わせ率の差は断定できないと書きました。ただし同じ検証の中でも、断定できる指標があります。分かれ目になるのは、その指標の分母がどれだけ大きいかです。
クリック率の分母は表示回数で、この案件では全体で1,850回ありました。層ごとに分けても、数十回から千回を超える規模が残ります。実際、反応が集中した層のクリック率は17.01%、汎用的な語を含む層は5.73%で、この差については誤差の範囲を計算しても重なりません。 したがって、どちらの反応が良かったかという順位は確定できます。
一方、問い合わせ率の分母はクリック数になります。層ごとに分けると5件から75件まで下がり、問い合わせ件数に至っては0件から7件です。反応が集中した層の問い合わせ率は20.0%、汎用的な層は9.3%で、数字の上では2倍以上の開きがあります。それでも誤差の範囲を計算すると両者は重なりますので、どちらが高いと言い切ることはできません。
ここから言えるのは、約10万円という予算で確定するのは、上の段にある指標までだということです。 検証を設計するときは、いくら使えば分かるのかではなく、いくら使うと何が確定して何が確定しないのかを先に見積もってください。
成約が出ても、成約率は語れない
指標の順位づけをここでひっくり返さないよう、注意点をひとつ書いておきます。分母が大きいから確実だという理由でクリック率を判断の中心に据えると、実務としては誤った運用になります。
BtoBの評価は成約から見るのが原則です。成約で判断がつかない場合に問い合わせ件数へ、それでもつかない場合にクリック率へと順に下りていく、という順序を崩さないでください。この案件では成約が2件出ていますので、事業として買う相手がいるという判断は成約の段で成立しています。
ただし成約率そのものは、分母が5件しかないため目安になりません。成約が出たという事実は使えて、成約率という比率は使えないという分け方になります。 判定の材料は一段下の問い合わせ層の分布に置き、成約は事実として添えるのが現実的です。
「判断不能」を正式な結論として用意しておく
検証の結論をGoとNo-Goの二択で設計すると、問題が起きます。どちらとも言えない結果が出たときに、判断が組織の力学で片方に寄せられるためです。推進したい側が強ければGoに、慎重な側が強ければNo-Goに倒れます。
そこで、検証を始める前に3つ目の結論を用意しておくことをおすすめします。この案件でも、全体としてはGoでしたが、層ごとの優劣については判断不能という結論になりました。判断不能という結果は、失敗ではなく次に何を測ればよいかを示す情報です。
稟議書に書くときは、この3つ目を隠さずに載せてください。「A層とB層のどちらが有望かは、今回の規模では判定できませんでした。次の検証でA層に絞って測ります」と書けば、次の予算を求める根拠になります。すべてを確定させた資料より、確定したことと未確定のことを分けた資料のほうが、段階的な投資の議論に乗せやすくなります。
判定ロジック表と、稟議書に貼るチェックリスト
観測された状態から、次に取る行動を引く
検証の結果は、いくつかの決まった形で現れます。どの形が出たかで次の行動が変わりますので、あらかじめ対応表を持っておくと判断が速くなります。右端は、これまで扱ってきた実例がどこに該当したかです。
| 観測された状態 | 意味 | 次に取る行動 | 実例の該当 |
|---|---|---|---|
| 表示がほぼゼロ | その言葉での検索需要が存在しない(確定) | 顧客が使う言葉に置き換えて再測定する。置き換えてもゼロならNo-Go | 自社の強みを示す訴求2つ |
| 表示は出るがクリックが極端に低い | 検索はされているが、その見せ方では選ばれない | 訴求文を作り直す。市場の存在は否定されていない | 業務の管理を示す訴求 |
| クリックは出るが問い合わせがゼロ | 関心はあるが行動に至らない。LPかオファーの問題 | 申込導線と提示条件を作り直す | 該当なし |
| 問い合わせが出た。ただし一桁 | 需要はある。層ごとの優劣は判定できない | 反応が出た層に絞って再測定する | 全体(15件) |
| 商談・成約まで到達 | 買う相手が存在する。ただし率は目安にできない | 本格展開の可否を判断してよい | 商談5件・成約2件 |
同じ検証の中で、訴求ごとに違う状態が出ます。 実例では、確定した否定と成約到達が同時に発生しました。ひとつの結論にまとめず、訴求単位で表に当てはめてください。
稟議書の1枚目に貼るサマリー
前半で扱った判定表が基準に照らすためのものだったのに対し、こちらは報告のためのフォーマットです。決裁者が最初に見る1枚として、右の欄に自社の数字を入れて使ってください。
| 項目 | 参考:実例 |
|---|---|
| 検証手法 | 検索広告と検証用LPによる需要テスト |
| 広告費 | 約10万円 |
| 検証した語数 | 30語 |
| 問い合わせの定義 | フォームからの問い合わせ・資料請求 |
| 表示回数 | 1,850 |
| クリック/クリック率 | 129/6.97% |
| 問い合わせ/問い合わせ率 | 15/11.63% |
| 商談/成約 | 5/2 |
| 判定 | Go(ただし一部の層に限定) |
| この検証で分かったこと | 需要の有無と、訴求ごとの反応 |
| この検証で分からないこと | 受注率、顧客生涯価値、層ごとの優劣 |
最下段の2行を必ず埋めてください。分からないことを書いた資料は、質問される前に答えを出している資料になります。 ここが空欄の資料は、決裁者からの一言で前提が崩れます。
次の役員会までにやること
稟議が通らないとき、書き方を直すより先に手をつけられることが3つあります。
ひとつ目は、受けた指摘を仕分けることです。市場の大きさの話なのか、需要が実在するかどうかの話なのか、実行できるかどうかの話なのか。このどれに当たるのかを決めるまでは、追加の資料を作らないでください。
ふたつ目は、基準値を先に置くことです。何がいくつなら進み、いくつなら止めるのか。決裁者と合意した数字を残してから測り始めれば、結果が出たあとの議論は判定だけで済みます。
みっつ目は、手段を決めることです。内製で聞くのか、調査会社に依頼するのか、行動を測る検証をするのか、それとも何もしないのか。決裁者が求めている材料の種類に合わせて選んでください。
3つとも今週中に着手できます。ひとつ目に至っては、これまでに受けた指摘を読み返すだけで終わります。何を用意すれば足りるのかが決まらないまま資料だけを厚くしても、次の役員会でも同じ理由で差し戻されることになります。
その新規事業、「売れるか」を2週間で確かめられます
カリアドは、新規事業の需要検証に特化したサービスです。
調査レポートや社内の議論では、結局「売れるかどうか」は分かりません。検証用LPを作り、実際に広告を配信し、見込み客が反応するかどうかを数値で確認します。
開発に数百万円を投じる前に、まず市場に聞く。それが最も安く、最も速い意思決定の方法だと考えています。
期間は2週間程度、費用は定額。検証レポートと広告の生データをお渡しするので、そのまま社内報告にお使いいただけます。
まずは無料相談から。検証すべき仮説の整理だけでもお役に立てます。

