需要調査とは?手法・費用・依頼先と、判定基準の決め方

この記事でわかること
  • 需要調査とは何か
  • 需要調査の手法
  • 需要調査の進め方
  • 費用の相場と、予算帯ごとに分かること
  • 依頼先の種類と選び方

需要調査で最初に決めるべきなのは、手法でも依頼先でもありません。どの数字がどうなったら進めるのか、あるいはやめるのかという基準です。ここを結果が出たあとに決めると、同じ数字が前向きにも後ろ向きにも読めてしまい、判断の材料になりません。

この記事では、手法と費用、依頼先の選び方を一通り整理したうえで、検証用のLPと広告で反応を実測した事例をもとに、判定の基準をどう置くかまで扱います。先に、よくある3つの問いに答えておきます。

よくある問い結論
何から手をつけるか手法選びではなく、判定基準を決めることから
いくらかかるか数万円から300万円まで。予算帯によって、答えられる問いの範囲が変わる
どこに頼むか調査会社、セルフ型ツール、コンサル、内製、検証代行、今はやらない、の6つから選ぶ
目次

需要調査とは何か

需要調査という言葉は、市場調査やニーズ調査と並べて使われることが多く、業界で厳密に定義が固まっているわけではありません。ただし、この言葉で情報を探している人が知りたいことは、比較的はっきりしています。これから出そうとしている商品やサービスに、実際の買い手がいるのかどうかという一点です。

需要調査で明らかになること

需要調査で確かめる対象は、大きく3つに分けられます。

  • 需要が存在するかどうか
  • 誰が求めているのか
  • いくらなら買われるのか

この3つには順序があり、上から順に確かめていくことになります。需要そのものが確認できていない段階で対象者の属性や価格の許容範囲を詰めても、前提が崩れれば検討ごと無駄になってしまうためです。逆に、需要があることさえ確認できていれば、対象と価格は後から詰め直すことができます。

そのため、使える予算や期間が限られている場合には、3つをまとめて明らかにしようとせず、最初の1つに絞るという進め方もあります。

市場調査・ニーズ調査との違い

3つの言葉は指す範囲が重なっているのですが、向き合っている問いが少しずつ違います。

呼び方主に向き合う問い
市場調査この市場はどうなっているのか
ニーズ調査顧客は何に困り、何を求めているのか
需要調査それは実際に買われるのか

実務では、ひとつの調査でこの3つをまとめて扱うことも珍しくありません。そのため、呼び方の使い分けそのものにこだわる必要はないと考えています。それよりも、自分が今どの問いに答えを出したいのかをはっきりさせておくほうが、後の手法選びで迷いにくくなります。

顕在ニーズと潜在ニーズ

顕在ニーズは、顧客自身が欲しいものを自覚していて、言葉にできる状態の欲求を指します。「業務用の機材を入れ替えたい」「見積もりを取れる業者を探したい」といった、行動に近い要望がこれにあたります。一方の潜在ニーズは、本人がまだ自覚していない、あるいは自覚していても言葉にできていない欲求を指します。

この区別が効いてくるのは、調査手法を選ぶ場面です。顕在ニーズはすでに言葉になっているため、検索や問い合わせといった行動として外に現れます。それに対して潜在ニーズは、本人が言語化できていない以上、質問して答えを待つやり方だけでは表に出てこない傾向にあります。

需要調査の手法

定量調査と定性調査の使い分け

需要調査の手法は、定量調査と定性調査の2つに大きく分かれます。定量調査は、数値化できるデータを集めて全体の傾向をつかむ調査です。アンケートで100人に聞き、そのうち何人が特定の選択肢を選んだかを数えるようなやり方がこれにあたります。

定性調査は、数値にしにくい理由や背景を言葉として集める調査です。インタビューや行動観察を通じて、なぜその選択をしたのかを掘り下げていきます。

2つは優劣ではなく、答えられる問いが違います。定量調査は「どれくらいか」に答え、定性調査は「なぜそうなるのか」に答えます。実務では、定性調査で仮説を立ててから定量調査で検証するという順序がよく使われます。ただし、先に定量調査で傾向を出し、引っかかった部分を定性調査で掘るという逆の順序も成立します。

代表的な6つの手法

需要調査で使われる手法は、おおむね次の6つに整理できます。

手法主に分かること向いている場面
アンケート調査母集団の傾向や比率立てた仮説を数値で検証したいとき
インタビュー調査回答の背景や意思決定の理由仮説そのものをこれから作るとき
行動観察調査本人が語らない実際の行動潜在ニーズを探したいとき
ソーシャルリスニング自然に発生している言及の量と内容話題の広がりや変化を追いたいとき
デスクリサーチ市場規模、成長性、競合の動向参入判断の前提を固めたいとき
検索需要の実測どの言葉で、どれだけ探されているか顕在需要の有無を確かめたいとき

この6つは、性質で2つのグループに分けられます。上の3つは、対象者を集めて実施する手法です。聞きたいことを自分で設計できる代わりに、対象者の確保に費用と期間がかかります。

下の3つは、すでに世の中に存在するデータや行動を読み取る手法です。対象者を集める必要がないぶん着手は早いのですが、知りたい形でデータが存在しているとは限りません。BtoBのニッチな領域では、参照できる統計も検索の母数も乏しいという状況が起こります。

手法の選び方

手法から入ると選びきれないため、何を知りたいのかから逆算するとよいでしょう。先ほど挙げた3つの対象に当てはめると、次のように対応します。

  • 需要が存在するかどうかを知りたいなら、デスクリサーチや検索需要の実測
  • 誰が求めているのかを知りたいなら、アンケート調査やインタビュー調査
  • いくらなら買われるのかを知りたいなら、アンケート調査やインタビュー調査

ここに顕在ニーズと潜在ニーズの軸が重なります。顕在ニーズは行動として外に出ているため、読み取る手法でも捉えられます。一方の潜在ニーズは、対象者と直接向き合う手法を選ばないと表に出てきません。何を知りたいのかと、それが顕在か潜在かという2点が決まれば、候補は2つか3つまで絞り込めます。

需要調査の進め方

需要調査は、次の5つの手順で進みます。どれか1つを飛ばしても調査自体は成立しますが、結果を判断に使えなくなる箇所があります。

①目的と、判断したいことを決める

最初に決めるのは、調査の目的です。ただし「市場のニーズを把握する」という水準で止めると、集まったデータが使われないまま終わりやすくなります。目的は、この結果で何を判断するのかというところまで書き下してください。

新商品を出すか出さないか、ターゲットをAとBのどちらに置くか。判断の中身がここで具体化すると、必要な情報も自動的に決まってきます。関係部署とここを先に合わせておけば、結果が出たあとの解釈で揉めにくくなります。

②判定基準を先に決める

①で定めた判断について、どの数字がどうなったらどちらに転ぶのかを、調査を始める前に書いておきます。手順の解説では省かれることが多いのですが、判定の成否はここで決まります。

結果を見てから基準を作ると、出てきた数字に合わせて基準のほうが動いてしまいます。反応が想定より少なくても「初期段階としては妥当」と読めますし、多くても「母数が小さいので参考値」と読めます。基準は事前に決めておくことで、はじめて判定として機能します。具体的な決め方は記事の後半で扱います。

③手法と調査対象者を選ぶ

手法の選び方は前の章で整理したとおりです。ここで併せて決めておきたいのが、誰に聞くかという点になります。

対象者の設定を外すと、どれだけ丁寧に設計しても結果が使えません。解約の理由を知りたいのに現在の利用者に聞けば、肯定的な回答ばかりが集まります。**BtoBの場合は、決裁者、実際の利用者、購買部門で答えが変わります。**どの立場の回答として扱うのかまで決めておきましょう。

④実施する

計画に沿って進めます。途中で設問や配信の設定を変えると、変更の前後でデータを比較できなくなるため、原則として動かさずに回し切ります。

進行中は、回収状況と無効回答の発生を確認します。設計の不備で続行できない場合に限り、変更した内容と時点を記録したうえで手を入れてください。

⑤判定し、次のアクションを決める

②で決めた基準に照らして判定します。ここで解釈を加えず、機械的に当てはめることで、①で合わせた関係者の認識がそのまま維持されます。

判定は進める・進めないの2択とは限らず、一部の条件では基準を満たし、別の条件では届かなかったという結果も出ます。その場合も含め、次に何をするのかまでを判定とセットで決めておきましょう。本格的に展開する、条件を変えて再度確かめる、今回は見送る、という3つの行き先を用意しておくと決めやすくなります。

費用の相場と、予算帯ごとに分かること

手法別の費用相場

需要調査の費用は、手法と規模によって数万円から300万円程度まで幅があります。一般的な目安は次のとおりです。

  • セルフ型のアンケートツールを使う場合、設問数とサンプル数に応じた課金で、数万円から
  • 調査会社にアンケートを依頼する場合は20万円ほどが下限で、100〜300サンプル規模では30〜80万円程度
  • 定性インタビューは、5〜10名を対象として40〜100万円程度
  • 全国規模で1,000サンプル以上を集め、分析レポートまで含める場合は100〜300万円程度

見積もりを比較するときは、総額だけでなく内訳を確認してください。調査設計を任せられるのか、レポートに示唆や提言まで含まれるのか。この2点で、同じ総額でも受け取れるものが変わります。

期間についても押さえておきましょう。企画から完了までは1.5か月程度が一般的で、判断の期日が先に決まっている場合は、そこから逆算すると選べる手法が絞られます。

予算帯別|何が分かって、何が分からないか

予算の多寡は、精度の高低というより、答えられる問いの範囲として現れます。

予算帯主に取れる手法判断できること判断できないこと
〜10万円デスクリサーチ、検索需要の実測、小規模なセルフ型アンケート需要が存在するか、どの言葉で探されているか母集団を代表する比率、価格の許容範囲
10〜50万円セルフ型で規模を拡大、少人数のインタビュー特定セグメントの傾向、回答の背景にある理由市場全体を代表する数値
50〜150万円定量調査と定性調査の組み合わせ誰が求めているか、価格に対する感度実際に発注に至るかどうか
150〜300万円全国規模の定量調査と分析レポート市場全体の構造、社外に出せる水準の代表性実際に発注に至るかどうか

この表で目を向けてほしいのは、右端の列です。予算を上げれば真ん中の2列は着実に広がりますが、右端に残るものは金額を積んでも自動的には消えません。

とくに意向と実際の行動の差は、予算の大小とは別の問題として残ります。聞く調査で得られるのは「買いたいと思うか」という回答であって、実際に発注した記録ではないためです。この点は記事の後半で改めて扱います。

なお、検索広告とLPを使って反応を実測する場合、広告費として10万円前後という実施例があります。ただしこれは、その金額をかければ判定できるという意味ではありません。判定できるかどうかは、検索需要の量と、事前に決めた基準の置き方で決まります。

予算が限られている場合は、表の上の帯から下の帯へ順に進むという考え方もあります。最初の帯で需要の有無を確かめ、存在が確認できてから、誰が求めているのかを調べる予算をつける。この順序であれば、需要が確認できなかった時点で支出を止められます。

依頼先の種類と選び方

5つの選択肢を比較する

需要調査を進める方法は、外部に依頼するか自社で行うかで大きく分かれ、依頼先にもいくつかの種類があります。同じ軸で並べると次のようになります。

選択肢費用の目安期間の目安得られるもの向かないケース
調査会社に依頼20〜300万円1.5か月程度設計から集計・分析まで一貫した結果。社外に出せる水準少額かつ短期で判断したいとき
セルフ型アンケートツール数万円〜数日〜2週間自社で設計・配信した回答データ設計の経験がなく、対象者が特殊なとき
コンサルに依頼案件ごとの見積もり案件による結果の解釈と、戦略への接続実行段階の数値そのものが欲しいとき
内製する実費のみ自社の稼働次第早さと、社内に残る知見対象者を集めにくく、客観性が求められるとき
検証代行に依頼広告費+支援費数週間実際の反応と行動の記録潜在ニーズの探索や、市場規模の把握

広告代理店に運用を依頼するという選択肢もあります。ただし、目的が獲得数の最大化なのか、進めるかどうかの判定なのかによって、設計も見るべき指標も変わってきます。依頼する前にどちらなのかを伝えておくと、認識のずれが起きにくくなります。

この表のうち、どれか1つだけが正解になる場面は多くありません。需要の有無を安く確かめてから、詳細を調べる工程で外部に依頼するという組み合わせ方も取れます。

それぞれが向いているケース

選び方は、企業規模というより、判断の期日と社外説明の有無で決まってきます。

社内の稟議や投資判断の材料として使うのであれば、調査会社への依頼が向いています。第三者が設計した調査であることが、資料としての説得力に直結するためです。同じ理由で、対象が全国規模になる場合も外部に任せたほうが確実です。

一方、社内で方向性を決めるためだけであれば、内製やセルフ型ツールで足ります。判断の期日が数週間先にある場合は、1.5か月かかる手法は最初から候補から外れます。

新規事業の初期段階のように、そもそも需要があるかどうかから確かめる場合は、費用の小さい手法から順に試す進め方が取りやすくなります。前の章の予算帯の表で、上の帯から下の帯へ進むと書いたのはこのためです。

「今はやらない」が正解のケース

調査しないという選択肢も、他と並べて検討する対象になります。

判断がすでに決まっている場合は、その典型です。何が出ても進めると決まっているのであれば、調査は判断ではなく説明のための材料になります。それ自体が悪いわけではありませんが、目的が違う以上、かける費用も変わってきます。

小さく出して確かめられる場合も、調査を省ける場面があります。既存顧客に案内できる、既存チャネルで試せるという条件がそろっているなら、聞くより先に出したほうが早く答えが出ます。調査は、出す前に判断したいときのための手段であって、必ず通らなければならない工程ではありません。

判断の期日まで時間がなく、予算も確保できていない状況で無理に着手すると、どちらの用も足さない結果になります。その場合は、期日を動かすか、判断の粒度を下げるかを先に決めておきましょう。

よくある失敗と回避策

手順どおりに進めても、設計の段階で結果が使えなくなることがあります。頻度の高い2つを挙げます。

設問が答えを誘導している

「品質の高さは選定時に考慮しますか」と聞けば、多くの回答者が考慮すると答えます。自社が強みだと考えている点を設問に入れると、肯定的な回答が集まりやすくなります。

回避するには、選択肢を並べて優先順位をつけてもらう形式に変えてください。品質、価格、納期、サポートを同じ粒度で並べ、上位2つを選んでもらえば、単独で聞いたときとは違う結果が出ます。

あとから分解できない形でデータを取る

全体の集計だけを取り、回答者の属性を記録していないと、結果が割れていても内訳を確認できません。全体では「関心あり」が4割という数字が出ても、どの業種や規模で高かったのかが分からなければ、次の一手を決められないままになります。

業種、従業員規模、役割の3つは、判断に使う予定がなくても取得しておきましょう。あとから足すことはできません。

需要調査で分かること、分からないこと

「考慮する」と答えられる強みと、実際に探されている言葉は違う

法人向けの物品レンタル・サプライ業で、実際に検証を行った例があります。広告費として10万円前後をかけ、検索広告と検証用のLPで反応を測りました。

事前に用意した訴求は3つです。品質チェックの体制、独自の管理技術、小ロットからの対応。いずれも社内で強みとして認識されていた要素でした。

結果として、この3つでは反応が取れませんでした。品質と小ロットに関する言葉は表示回数がゼロ、独自の管理技術に関する言葉は二桁の表示があったもののクリックはゼロです。その言葉で業者を探している人に、そもそも広告が届いていません。

反応があったのは別の系統でした。特定の用途を挙げて業者を探す検索と、カテゴリ名で業者を探す検索です。どちらも、いま依頼先を探しているという意図の検索でした。

ここから言えるのは、社内で強みとされている要素と、顧客が探すときに使う言葉は一致しないことがあるという点です。品質が求められていないという意味ではありません。品質を入り口にして業者を探す行動が、この期間と規模の範囲では観測できなかった、ということです。

先に触れたとおり、強みを単独で提示して聞けば、肯定的な回答は集まりやすくなります。回答として得られる評価と、探すときに実際に使われる言葉は、別のものとして扱う必要があります。

では、聞く調査は不要なのか

不要にはなりません。答えている問いが違うためです。

検索需要の実測で分かるのは、すでに言葉になっている需要だけです。検索されていない領域について、需要が存在しないのか、まだ言葉になっていないだけなのかを、この手法では区別できません。先ほどの例でも、なぜ品質を入り口に探さないのかという理由までは分かりません。理由を知るには、対象者に直接聞く手法が必要になります。

整理すると、聞く調査は意向と、その背景にある理由に答えます。反応の実測は、行動が実際に起きたかどうかに答えます。どちらか一方で足りる場面もありますが、組み合わせることもできます。

実測で反応のある言葉を見つけ、その言葉を使っている層に理由を聞く。この順序であれば、インタビューの対象者を実際に反応した人から選べるため、聞く内容も具体的になります。

需要は、事業単位では判定できない

全体平均が構造を隠す

先ほどの検証では、想定される用途別に5つのセグメントを設定し、それぞれに広告を配信しました。全体の問い合わせ率は1割を超えており、この数字だけを見れば需要ありと読めます。

ところが内訳は大きく割れていました。最も高いセグメントは2割に達した一方で、最も低いセグメントは1件も発生しませんでした。同じ事業、同じLPで、届ける相手を変えただけの結果です。

配分にも偏りがありました。最も反応が良かったセグメントに割り当てていた予算は、全体の2割弱です。それでいて、獲得した問い合わせの3分の1をこのセグメントが占めました。獲得単価は全体平均のおよそ半分で、平均値の中に埋もれていたことになります。

その反対側では、問い合わせが1件も発生しないまま消化した予算が全体の3割弱ありました。全体平均は、この2つを足して割った数字にすぎません。

「この事業に需要があるか」は、問いとして粗すぎる

全体平均だけで判定すると、2通りの誤りが起こります。

全体が基準に届かなかった場合、成立していたセグメントごと見送ることになります。反応の良い相手が確かに存在していても、平均に薄められて見えなくなるためです。

逆に全体が基準を超えた場合は、反応のない領域にも予算を配り続けることになります。需要は事業に対してではなく、セグメントごとに存在したりしなかったりします。

そのため、判定の単位は事業ではなくセグメントに置いてください。前提として、結果を分解できる形でデータを取っておく必要があります。分け方は用途、業種、規模のいずれでもかまいませんが、分けずに取ったデータをあとから分解することはできません。

判定基準の作り方

見る順序は、成約から

BtoBでは、購入までの経路が長く、途中の指標が良くても最後まで届かないことがあります。そのため判定は、成約、商談、問い合わせ、クリック率という順に、上から見ていきます。

上の指標で判定がつかない場合にだけ、下の指標へ下ります。ここで気をつけたいのは、下りるほど「実際に買われるか」という問いから遠ざかる点です。クリック率は、その言葉に反応する人がいたことまでしか示しません。

下りた場合は、どこまで下りて判定したのかを記録に残してください。クリック率で判定したという事実が残っていれば、次の検証で何を確かめるべきかがそのまま決まります。

自分の数字を当てはめる3ステップ

判定に使える共通の基準値は存在しません。同じ獲得単価でも、受注1件の大きさによって、成立する事業と成立しない事業に分かれるためです。次の3つを自社の数字で埋めてください。

手順決めること
①成約1件に対して、いくらまで支出できるか。受注単価と利益率から逆算する
②実際にかけた費用を、成約件数で割る
③②が①を超えていた場合、セグメント別に分解して計算し直す

①を検証の前に決めておくのが条件です。②を見てから①を決めれば、どんな結果でも成立する基準を作れてしまいます。

③を省かないでください。②の段階で基準に届かなくても、分解すると①を下回るセグメントが残ることがあります。その場合の判定は、事業全体の見送りではなく、対象を絞っての再検証になります。

実測で確認できたこと

先ほどの検証では、10万円前後の広告費で問い合わせが二桁に達し、そのうち複数が商談に進み、成約にも至りました。

ここから言えるのは、この事業には、金銭を伴う取引が成立する需要が実際に存在したという一点です。件数が少ないため、商談化率や成約率を一般的な水準として示すことはできません。同じ金額をかければ同じ結果になるという意味でもありません。

それでも、需要の有無という問いに対しては答えが出ています。買いたいと思うかという回答ではなく、実際に発注が発生したという記録として残っているためです。

読み終えたら、先ほどの表の①だけでも埋めてみてください。成約1件に対していくらまで支出できるのか。ここが決まっていれば、どの手法を選んでも判定はできます。

その新規事業、「売れるか」を2週間で確かめられます

カリアドは、新規事業の需要検証に特化したサービスです。

調査レポートや社内の議論では、結局「売れるかどうか」は分かりません。検証用LPを作り、実際に広告を配信し、見込み客が反応するかどうかを数値で確認します。

開発に数百万円を投じる前に、まず市場に聞く。それが最も安く、最も速い意思決定の方法だと考えています。

期間は2週間程度、費用は定額。検証レポートと広告の生データをお渡しするので、そのまま社内報告にお使いいただけます。

まずは無料相談から。検証すべき仮説の整理だけでもお役に立てます。

この記事を書いた人

Webマーケティング歴8年超。Web広告代理店でのコンサルタント職を経て、事業会社にて責任者としてリード獲得体制をゼロから構築。現在はSaaS企業のマーケティングを担当しながら、カリアドで新規事業の需要検証を手がけています。広告運用の実データにもとづく検証設計を専門としています。

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